エスペラント語の Ĉu の意味
Duolingo でエスペラント語を勉強していると、
Ĉu vi estas Adamo?
という文章が出てきました。
これにカーソルをあわせても、
Ĉu
自体の逐語訳はなさそうです。
vi
が 英語の you で、
estas
が英語の is, are であって、
クエスチョンマークがついていることから、おそらく
Ĉu vi estas Adamo?
は Are you Adamo?
であることは間違いなさそうですが、
では Ĉu
そのものはなにか、ということになってきます。
結論、これは "文が疑問文であることを示すサイン" のようです。
平叙文(地の文)では、
Vi estas Adamo.(あなたはアダムです。)
であり、これを疑問文にする際に(英語と違って平叙文と疑問文で語順を変えたりしないので代わりに頭に Ĉu
をつけてやることで)
Ĉu estas Adamo?
となるようです。
クエスチョンマークがあるから Ĉu
がなくとも分かるじゃないか、と思うかもしれませんが、
話し言葉で考えてみれば、語尾が上がっているかどうかで平叙文と疑問文を切り替えられるとリスニングが難しそうです。
日本語だと
「あなたはアダムだよね」
「あなたはアダムだよね?」
などと語尾で疑問文かどうか判別させる場合がありますが、これはインドヨーロッパ語族の人たちには難しいということでしょう。
Are you ~
から始めて、聞き手が疑問文モードで聞くことができるようになることに慣れているのでしょう。
とはいえ、
You are Adam, aren't you?
などと後から疑問文にする方法(付加疑問文と呼ぶそうです)もありそうですが、とにかくこれでは不便ということでしょう。
脱線しますが、
インド英語、インドリッシュと言われる英語の方言(?) では、
かなり英語がヒンディー語ナイズされていて、 ※参考
You are Adam?
と言うことができるそうです。
これは、ヒンディー語が日本語同様に、疑問文で平叙文から同士の倒置が行われないから、ということが影響しているようです。
これによって、インド英語の話者としゃべると疑問文かどうかのリスニングが難しい、という問題が現に発生しているようです。
そこでエスペラント語では、頭に Ĉu
をつける、という方法で疑問文を最初に明示する方法を取っているんですね。
便利です。
(個人的には、疑問文っぽいものをひとくくりに覚えられるように、 Ki
とかにしてくれればよかったな〜などと思ってしまいますが。)
また別の問題で逐語訳を求められましたが、
Ĉu
は whether
があたるそうです。
確かに、 google翻訳で
I don't know whether yes or no.
のような文章を訳すと、
Mi ne scias ĉu jes aŭ ne.
となります。
接続詞として使う場合の ĉu
は whether
を意味し、
文頭に来る場合は 疑問文のサイン、ということになります。